Dynamic Focusing

『Cryogen-Free』加熱脱着 GC-MS システム

従来、GERSTEL加熱脱着システム(TDU2/TD3.5+)による香気成分のトップノート分析では、CISの初期温度をマイナス温度に設定する必要があり、液体窒素、液化炭酸ガス、コンプレッサー式冷却装置CCD2などの使用が不可欠でした。新技術 Dynamic Focusing (DF)の応用により、TDU2/TD3.5+システムにおいてペルチェ式電子冷却装置 UPCplusのみを用いた 、香気成分のトップノート分析が可能になりました。DHS (2-Step MVM) や Twister (SBSE) と組み合わせることで、トップノート~ベースノート、及び親水性・極性成分を含む広範囲の香気成分の分析にも対応可能です。

特長

DF 専用のCIS 用 Tenax TAライナーを用いて、TDU と CIS の昇温プログラムの一部をオーバーラップさせて GC への注入を行います。TDU から加熱脱着した成分のうち、揮発性の高いトップ~ミドルノートの成分(V-VOCs/VOCs)は、CIS(10℃)を移動しながらバンド幅を狭めていきます。揮発性がやや低めのベースノートの成分(S-VOCs)は、急速加熱後のCIS(~280℃)を通過し、GC カラム先端部でバンド幅を狭めます。

分析例

DFを用いたDHSによるコーヒーの香気分析 従来のクライオフォーカスとの比較

DFを用いたDHSによるコーヒー中の香気分析では、トップノート成分(VP>1kPa)において、コンプレッサー式冷却装置CCD2を用いたシステムとほぼ同等の結果が得られました。

DFを用いた2-Step MVMによるコーヒーの香気分析 コーヒー中の香気分析の再現性

2-Step MVM*への応用においてもトップノート~ベースノート、及び親水性・極性成分を含む広範囲の香気成分に対して良好な再現性(RSD < 5%)が得られました。

*2種類の異なる条件で濃縮した成分を連続的に加熱脱着を行う技術

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